今週は小ネタ。
8月最後の日曜日に下草にくっついていたもの。
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| セミヤドリガ Epipomponia nawai |
蛾の中では珍しく寄生性で、しかも寄主はセミの成虫という変わった生態の昆虫である。
それほど珍しいわけではなく、幼虫はヒグラシやミンミンゼミなどにくっついており、白色綿状の分泌物に覆われており目立つのですぐに判る。
繭もこの分泌物を利用して作るため、木の幹についているのをたま~に見かける。
ただ、成虫を見かけることは少ないので持ち帰ってみた。
んだけど、全然羽化しないので拡大してみたら、
穴空いてるじゃないの。セミヤドリガに寄生蜂!?
そんなヤツいる?と繭を開けてみたら、
風化した輪ゴムみたいな質感の不思議物体が残っていた。んーーー
想像するに、アリに見つかって前蛹が解体されて消化管内容物だけ残された状態?
寄生虫だったら本体のガワくらいは残っているので、たぶん犯人はアリだろう。
これだけだと、旧ブログでも紹介済みの種なので蝋物質を光学顕微鏡で拡大してみた。
斜めに走る白っぽいのは幼虫の吐いた糸。それ以外の蝋物質はなにかネジネジした感じ。
太さは0.01㎜前後。
もうちょっと拡大。
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| セミヤドリガ Epipomponia nawai |
手近にチュウゴクアミガサハゴロモがあったので、同じように蝋物質を拡大。
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| チュウゴクアミガサハゴロモ Ricania shantungensis |
カイガラムシとかアブラムシなど植物から吸汁する昆虫は必要なたんぱく質を摂取するために大量の糖分が余るせいか、白色の蝋物質に変換して分泌するものが多い。セミなどはおしっこで排出するみたいだけど、これらを捕食したり寄生したりする昆虫も栄養分が偏るせいか蝋物質を分泌するものが見られる。
以前紹介したアミダテントウの幼虫もそれである。
本種の蝋物質は2種類の形状だった。
同じように見える蝋物質も種類ごとに違いがあって面白い。
分泌腺なんかを電子顕微鏡で見たら各種に違いがあって面白いかもしれない。伝手がないからできないけど。
ハゴロモヤドリガの繭はもう少し粉粉した感じだったけど、拡大すると違いがあるのか気になってきた。。
ではまた






















































