2026年5月30日土曜日

カメムシの卵から羽化したタマゴクロバチの一種

 先週に引き続き、カメムシに寄生する虫。

お散歩コースのササの葉で見つけた卵

2026年5月24日
直径は1㎜以上あって割と大型、でちょっと縦長。

1個だけ半透明で無精卵ぽい。

ここいらでササにつく大型のカメムシは、

エビイロカメムシGonopsis affinis

シロヘリカメムシAenaria lewisi

ヒラタトガリカメムシBrachymna tenuis

の3種くらい。

この中でエビイロカメムシの卵は球形に近いのでおそらく違う。

よく見るのはシロヘリカメムシなのでたぶん本種の卵だと思う。

けど、鉢巻き模様なんてあったっけ?

最近侵入したヒラタトガリカメムシの可能性もあるのかな?

孵化したら判るやも?と持ち帰って五日後。

2026年5月29日

!!

全て寄生蜂に変換。

無精卵ぽいの以外は、羽化していないのも含めて全部ハチ入り。

卵殻の拡大

とりあえず羽化した分

タマゴクロバチ科の一種
Scelionidae Gen.sp.
羽化したうち、矢印の一個体のみ♂である。

ハチの仲間は雌雄を産み分けることが出来るそうで、このハチの場合は交尾用の♂を一個体のみ用意して、あとは繁殖用の♀を産み付けるようだ。

兄弟姉妹でハーレムとか、ヒトでは理解できない世界である。

あとは拡大画像。

♀背面

タマゴクロバチ科の一種
Scelionidae Gen.sp.
属としては Trissolcus あたりだろうか?(あてずっぽ)

腹部基部の彫刻がよい。

♀側面

タマゴクロバチ科の一種
Scelionidae Gen.sp.
胸部側面の彫刻もなかなか。

♂背面

タマゴクロバチ科の一種
Scelionidae Gen.sp.
♂の触角は12節で、♀の触角は11節。

♂腹面

タマゴクロバチ科の一種
Scelionidae Gen.sp.

おまけ

♀の顔

大顎自体はモスラの幼虫チックなおちょぼ口なんだけど、複眼まで伸びる彫刻があるので、口裂け女みたいに見える。


ではまた

2026年5月23日土曜日

模様付きヤドリバエ

先週土曜日、自宅ベランダから庭木を眺めていると、

常連と化したキマダラカメムシの近くにハエがいた。

よく見ると、翅に模様がある。

ネットで見た記憶がある。

あわててお散歩ネットを取りに行って確保した。

ヒラタヤドリバエの一種
Euthera tuckeri

和名はなく学名のみ。

ヤドリバエは門外漢なのだけれど、これだけ特徴があればおそらくこの種で間違いないだろうと思う。

ついでに撮った黒バック
前翅の透明な部分は結構白く曇っている。

カメムシに寄生するらしい。

脇にいたキマダラカメムシもネットインしていたので、体表をじっくり観察してみたが、卵は見当たらなかった。

もしキマダラカメムシにも寄生するのなら、都市部でも増えてきそうなヤドリバエである。

キマダラカメムシは元々九州以南に分布していたものが、分布が北進している種類で、都市部の緑地で非常に多く見られるようになっている。

斜めから

ネット上では垂直尾翼がある、などと書かれているのは前翅基部にある「小翅片」と呼ばれる部分。大概のハエにもある部分だけど、本種は黒いため目立つのだろう。

側面

ヒラタヤドリバエの一種
Euthera tuckeri
前翅基部の白いところは基覆弁と端覆弁。

ヒラタヤドリバエの一種
Euthera tuckeri

今後増えるかもしれないので注意しておこう。

ではまた 

2026年5月16日土曜日

スジキヒメハマキ

今週はワタクシ的初見の蛾。

日曜のお散歩で見かけたハマキガの一種。

採るなら撮るな撮ったら逃げる、の

呪いが発動しなかったので無事捕獲。

背面

スジキヒメハマキ
Neoanathamna negligens
ありていに言って地味な蛾である。

初見と言いつつ認識していなかっただけかも?

翅の拡大

スジキヒメハマキ
Neoanathamna negligens

肛上紋は不明瞭なのが特徴とのこと。

同属他種の肛上紋は3本の明瞭な黒線となる。

肛上紋は下図の丸印のとこ。


ではまた 

2026年5月9日土曜日

ゴールデンウイーク最終日

今年のゴールデンウイークはいつもの日曜日のお散歩以外に最終日にもお散歩行ってきた。

若かりし頃は休みとなれば出掛けっぱなしだったものじゃが、、

さて。

その最終日のお散歩中に

倒木に座ってついったー見ながらぼへっとしていたら

ズボンに見慣れない虫がふたつほど歩いていたので持ち帰り。

流石ゴールデンウイーク

ひとつめはテネラルの潰れたコクゾウムシみたいなヤツ。

シュロゾウムシ
Derelomus uenoi
てくてく

これは保育社の甲虫図鑑に載っていた。

近くにシュロの木生えてるのでそこで発生しているのだろう。

背面

シュロゾウムシ
Derelomus uenoi
腹面


ふたつめ

とてもちっちゃい。体長3㎜ほど。

スマホで撮って、フィルムケースに取り込んでから画像を確認したらオドリバエ系のハエみたい。

オドリバエならネット上に絵解き検索がある。↓

双翅目 (ハエ目) 昆虫の検索システムに関する研究

日本産双翅目の図解検索システム Ⅰ オドリバエ科

↑pdfファイル直リンク

これによると、

カマアシハシリバエの一種Tachypeza sp. にたどり着いた。

以前はオドリバエ科Empididae  でまとまっていたけど、最近の分類では細分化されてこの辺はセダカバエ科Hybotidae になったらしい。

側面

カマアシハシリバエの一種
Tachypeza sp.
拡大

調べてる間に乾燥して複眼が凹んじゃった。

オドリバエはすぐこうなる。

カマアシハシリバエの一種
Tachypeza sp.
翅脈が単純化してるので後方の脈は自信がない。


ではまた

2026年5月2日土曜日

コンボウアメバチの一種Erigorgus sp.?

4月最後の日曜日、

おなじみさんを見ながら判らないのを摘まんで帰ってきた。

そのうちのひとつ。

コンボウアメバチの一種
Erigorgus sp.
ヒメバチの仲間。

強力な検索表(「日本産ヒメバチ上科(膜翅目)の属への検索表」)がネットにあるので検索してみたら、今回は属までは行き着いた。

たぶん合ってると思う。

まだ整理されていない属だそうなので、種類までは判らなかった。

画像ペタペタ

側面

コンボウアメバチの一種
Erigorgus sp.
腹部が縦に扁平なアメバチ型体形。

翅脈

コンボウアメバチの一種
Erigorgus sp.
2m-cu脈が鏡胞の位置につながる。

aとbの長さが異なる。

胸部背面

前伸腹節は網目状

胸部側面

コンボウアメバチの一種
Erigorgus sp.
前胸側板下縁に突起がない

中胸背板は丸く、斜溝がない

後体節第1節

気門は中央より後方にあり柄状

後体節

側背板は縦皺によって気門の下で分割されない

後脚の爪

解像度が足りねい、、、

爪が櫛歯状なのが辛うじて判る

正面顔

顔、ちょい斜めから
コンボウアメバチの一種
Erigorgus sp.
頭楯中央に突起あり

おまけ

産卵管

コンボウアメバチの一種
Erigorgus sp.


ではまた

2026年4月25日土曜日

ニホンカブラハバチ

日曜日のお散歩で見かけた交尾中のハバチ。

ニホンカブラハバチ
Athalia japonica
幼虫はアブラナ科の植物を食べる。

成虫はクサギに集まっているのをよく見かける。

なんで集まるんじゃろ?と思ってたら、クサギの毛に含まれるクレロデンドリンという苦み物質を食べて体表に分泌し、防御物質として利用しているとのこと。ほへ~

♀背面

ニホンカブラハバチ♀
Athalia japonica
♀腹面

胸部背面
ニホンカブラハバチ♀
Athalia japonica

各部位の英語表記はこちら

前胸背板 pronotum

中胸背板 mesonotum

 中胸盾板 mesoscutum

 中胸盾板中葉 median mesoscutal lobe

 中胸盾板側葉 lateral mesoscutal lobe

 中胸小盾板 mesoscutellum

 中胸後背板 mesopostnotum

 中胸小盾板後片 mesoscutellar appendage

後胸背板 metanotum

 後胸盾板 metascutum

 後胸小盾板 metascutellum

 後胸後背板 metapostnotum

 背粒 cenchrus

腹部第1背板 first abdominal tergum

背粒というのはハバチ類に特有の構造で、出っ張ったボタンのような構造で、翅を畳んだ時に前翅後角がひっかかるようになっている。

うちの近所のカブラハバチ属は4種おり、胸の模様で区別できる。

・中胸小盾板は黒色・・・セグロカブラハバチA.infumata

・中胸小盾板は橙黄色↓

 ・中胸盾板側葉は前半橙黄色、後半は黒色・・・カブラハバチA.rosae

 ・中胸盾板側葉は全体橙黄色↓

  ・腹部第1背板は黒色・・・ニホンカブラハバチA.japonica

  ・腹部第1背板は橙黄色・・・イヌノフグリハバチA.kashmirensis

この中で、イヌノフグリハバチだけはオオイヌノフグリを食べる変わり者である。

触角

基部から、丸い柄節scape、三角形の梗節pedicel、残りは鞭節flagellomere で、全部で10節ある。

ハグロハバチ亜科で触角が10~11節あればカブラハバチ属である。その他の属はすべて9節である。

ニホンカブラハバチ♀
Athalia japonica
♂の背面
ニホンカブラハバチ♂
Athalia japonica
♂の顔
ニホンカブラハバチ♂
Athalia japonica
♂の頭楯と上唇は黄白色である。


おまけ

同所で採れた同属別種

セグロカブラハバチ♂
Athalia infumata
本種の模様は個体変異があり、この個体は中胸盾板が全体黒色だが、中胸盾板中葉や中胸盾板側葉の前半部が橙黄色になる個体もいる。


ではまた

2026年4月18日土曜日

誤同定発覚・・・キモンハバチはシシクキモンハバチでした

 2017年4月の拙ブログの記事↓

「キモンハバチ」ですが、当時手元の文献で疑問付きながら同定したものでしたが、2020年発行の「日本産ハバチ・キバチ類図鑑」ではシシクキモンハバチであることが判明しました。orz...

この日曜日に摘まんできたハバチ。

シシクキモンハバチ
Pachyprotasis shishikuensis
帰ってからよく見ると、足が赤いキモンハバチの仲間。

以前ブログで紹介した記憶があったが、最新の図鑑で検索してみると、シシクキモンハバチという書いた覚えのない種に落ちてしまった。

当時の手持ちの文献ではキモンハバチの後腿節に燈赤色部がある、とあったので、細部が少々異なるが変異の範囲内かな?他にいないし、と決定したけど、新図鑑の検索ではキモンハバチの後腿節は黒色になっていた。。

なんてこと、、、

図鑑の検索からシシクキモンハバチの特徴を抜き書き。

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後脚基節は黒色で中央に楕円型の白斑を持つ

後脚の腿節と脛節の一部は燈赤色で跗節2・3・4節は白色

♀は中胸盾板中葉の後方に三角形の白斑を持つ(♂はⅤ字形)

♀の後脚腿節は基部を除き大部分が燈赤色

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♀の後脚腿節が基部を除き黒色であれば、

マライセキモンハバチPachyprotasis malaisei

だそうだ。(検索のみで図と記載はなし)


キモンハバチ属では後脚腿節が燈赤色になる種は他に

モモアカキモンハバチPachyprotasis variegata

がいるが、胸部側面や腹部側面に白色部があり一見して異なる。


図鑑に書かれたシシクキモンハバチ♀の斑紋記載は

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頭部;側頭頂に一対の小紋、複眼前縁下方と下眼縁部、上唇、大顎前面

胸部;中胸盾板中葉後部の三角紋、盾板側葉中央の小紋、小盾板、小盾板後片と後胸小盾板

腹部;第7-9節腹背板の中央

脚部;前脚腿節の先端前面、前脚脛節前面、跗節の下面、後脚基節の楕円紋、後脚転節、後脚第2-5跗節

がそれぞれ黄白色で、他に後脚の腿節と脛節の基半が燈赤色

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と、画像の種と一致しているので今回の同定は大丈夫だと思う。


シシクキモンハバチその他の画像ペタペタ

腹面

頭部と胸部側面
斜め顔
正面顔
シシクキモンハバチ
Pachyprotasis shishikuensis
腹部
シシクキモンハバチ
Pachyprotasis shishikuensis
図鑑の凡例から翅脈記号を書き込んでみた。

合流したり別れたり、横脈かと思えば枝分かれしてしている脈だったりと非常に判りづらい。

この辺りは古い図鑑とはかなり変わっているので注意が必要である。


ではまた