8月最後の日曜日。
ツルがワシャっと絡んだ倒木の暗がりを飛ぶ何か。
写真はないが、シュッとした何か。
ホソムシヒキかな?
おしりの方に白い何かがついてる。。
交尾中のホソムシヒキ?
止まらないのでお散歩ネットで回収したらハチだった。
ワタクシ的に初見のハチ。
以下標本画像
全体
 |
オオコンボウヤセバチ Gasteruption japonicum |
今ひとつなので黒バック
 |
オオコンボウヤセバチ Gasteruption japonicum |
テキトーな撮り方しかしてないからどっちも今ひとつじゃった。
飛んでるときに見えた後方の白いのは産卵管の模様であった。
体長約15mmで産卵管も約15mm。
色々変わった形態なので以下拡大画像。
正面顔
これはまあ普通。
寄生蜂にしては舌が長く、ネットの生態写真では吸蜜に来ている画像がちらほらみられる。
本種はおもにメンハナバチ類やムカシハナバチ類の巣に寄生するそうで、幼虫を捕食して花粉団子も食べるらしい。ツヤハナバチよりずいぶん大きいけど、直列した複数の部屋を利用するみたい。
頭部側面
後頭隆起線がひだ状に隆起する。
前胸側板が発達し、細い首状になる。
頭部ちょい斜めから
 |
オオコンボウヤセバチ Gasteruption japonicum |
頭部背面
産卵管の先端が同じ白色で同属のクボミコンボウヤセバチでは矢印の位置が深く窪み、窪みの両側が突出することで区別できるそうだ。
クボミコンボウヤセバチGasteruption oshimense(オシマコンボウヤセバチから和名改称)は今のところ、伊豆大島と神奈川県で記録されているだけのよう。
ハチの雑誌、「つねきばち31号(2017)」に
「クボミコンボウヤセバチ(和名改称)Gasteruption oshimense Watanabe,1934(ハチ目:コンボウヤセバチ科)のタイプ産地の確定と本州からの初記録」
という報文を参考にした。
探せばあちこちで見つかるんちゃう?とか書かれていたので探せばいいと思う。
胸部背面
 |
オオコンボウヤセバチ Gasteruption japonicum |
点刻がよい。
胸部側面
 |
オオコンボウヤセバチ Gasteruption japonicum |
胸部後方を腹節を持ち上げてパチリ。
腹部は前伸腹節の上部に付着し、後脚基節から離れる。
というのがヤセバチ上科Ebanioidea の特徴。
腹部背面と側面
翅はこんな。
 |
オオコンボウヤセバチ Gasteruption japonicum |
なんというか翅脈も独特
産卵管鞘の先端
暗がりを飛んでいてもここだけ目立っていた。
産卵管の拡大。
後脚
 |
オオコンボウヤセバチ Gasteruption japonicum |
棍棒型の踁節が和名の由来であろう。
なんとなくナマメカシイような?
本土産のコンボウヤセバチにはもう一種、ヒメコンボウヤセバチGasteruption boreale がいるが、産卵管が腹部よりはるかに短いので区別できる。
南の島には別種がいるそうな。
ではまた