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2026年4月25日土曜日

ニホンカブラハバチ

日曜日のお散歩で見かけた交尾中のハバチ。

ニホンカブラハバチ
Athalia japonica
幼虫はアブラナ科の植物を食べる。

成虫はクサギに集まっているのをよく見かける。

なんで集まるんじゃろ?と思ってたら、クサギの毛に含まれるクレロデンドリンという苦み物質を食べて体表に分泌し、防御物質として利用しているとのこと。ほへ~

♀背面

ニホンカブラハバチ♀
Athalia japonica
♀腹面

翅
胸部背面
ニホンカブラハバチ♀
Athalia japonica

各部位の英語表記はこちら

前胸背板 pronotum

中胸背板 mesonotum

 中胸盾板 mesoscutum

 中胸盾板中葉 median mesoscutal lobe

 中胸盾板側葉 lateral mesoscutal lobe

 中胸小盾板 mesoscutellum

 中胸後背板 mesopostnotum

 中胸小盾板後片 mesoscutellar appendage

後胸背板 metanotum

 後胸盾板 metascutum

 後胸小盾板 metascutellum

 後胸後背板 metapostnotum

 背粒 cenchrus

腹部第1背板 first abdominal tergum

背粒というのはハバチ類に特有の構造で、出っ張ったボタンのような構造で、翅を畳んだ時に前翅後角がひっかかるようになっている。

うちの近所のカブラハバチ属は4種おり、胸の模様で区別できる。

・中胸小盾板は黒色・・・セグロカブラハバチA.infumata

・中胸小盾板は橙黄色↓

 ・中胸盾板側葉は前半橙黄色、後半は黒色・・・カブラハバチA.rosae

 ・中胸盾板側葉は全体橙黄色↓

  ・腹部第1背板は黒色・・・ニホンカブラハバチA.japonica

  ・腹部第1背板は橙黄色・・・イヌノフグリハバチA.kashmirensis

この中で、イヌノフグリハバチだけはオオイヌノフグリを食べる変わり者である。

触角

基部から、丸い柄節scape、三角形の梗節pedicel、残りは鞭節flagellomere で、全部で10節ある。

ハグロハバチ亜科で触角が10~11節あればカブラハバチ属である。その他の属はすべて9節である。

顔

ニホンカブラハバチ♀
Athalia japonica
♂の背面
ニホンカブラハバチ♂
Athalia japonica
♂の顔
ニホンカブラハバチ♂
Athalia japonica
♂の頭楯と上唇は黄白色である。


おまけ

同所で採れた同属別種

セグロカブラハバチ♂
Athalia infumata
本種の模様は個体変異があり、この個体は中胸盾板が全体黒色だが、中胸盾板中葉や中胸盾板側葉の前半部が橙黄色になる個体もいる。


ではまた

2026年4月18日土曜日

誤同定発覚・・・キモンハバチはシシクキモンハバチでした

 2017年4月の拙ブログの記事↓

「キモンハバチ」ですが、当時手元の文献で疑問付きながら同定したものでしたが、2020年発行の「日本産ハバチ・キバチ類図鑑」ではシシクキモンハバチであることが判明しました。orz...

この日曜日に摘まんできたハバチ。

シシクキモンハバチ
Pachyprotasis shishikuensis
帰ってからよく見ると、足が赤いキモンハバチの仲間。

以前ブログで紹介した記憶があったが、最新の図鑑で検索してみると、シシクキモンハバチという書いた覚えのない種に落ちてしまった。

当時の手持ちの文献ではキモンハバチの後腿節に燈赤色部がある、とあったので、細部が少々異なるが変異の範囲内かな?他にいないし、と決定したけど、新図鑑の検索ではキモンハバチの後腿節は黒色になっていた。。

なんてこと、、、

図鑑の検索からシシクキモンハバチの特徴を抜き書き。

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後脚基節は黒色で中央に楕円型の白斑を持つ

後脚の腿節と脛節の一部は燈赤色で跗節2・3・4節は白色

♀は中胸盾板中葉の後方に三角形の白斑を持つ(♂はⅤ字形)

♀の後脚腿節は基部を除き大部分が燈赤色

*****************************************

♀の後脚腿節が基部を除き黒色であれば、

マライセキモンハバチPachyprotasis malaisei

だそうだ。(検索のみで図と記載はなし)


キモンハバチ属では後脚腿節が燈赤色になる種は他に

モモアカキモンハバチPachyprotasis variegata

がいるが、胸部側面や腹部側面に白色部があり一見して異なる。


図鑑に書かれたシシクキモンハバチ♀の斑紋記載は

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頭部;側頭頂に一対の小紋、複眼前縁下方と下眼縁部、上唇、大顎前面

胸部;中胸盾板中葉後部の三角紋、盾板側葉中央の小紋、小盾板、小盾板後片と後胸小盾板

腹部;第7-9節腹背板の中央

脚部;前脚腿節の先端前面、前脚脛節前面、跗節の下面、後脚基節の楕円紋、後脚転節、後脚第2-5跗節

がそれぞれ黄白色で、他に後脚の腿節と脛節の基半が燈赤色

*****************************************

と、画像の種と一致しているので今回の同定は大丈夫だと思う。


シシクキモンハバチその他の画像ペタペタ

腹面

頭部と胸部側面
斜め顔
正面顔
シシクキモンハバチ
Pachyprotasis shishikuensis
腹部
翅
シシクキモンハバチ
Pachyprotasis shishikuensis
図鑑の凡例から翅脈記号を書き込んでみた。

合流したり別れたり、横脈かと思えば枝分かれしてしている脈だったりと非常に判りづらい。

この辺りは古い図鑑とはかなり変わっているので注意が必要である。


ではまた


2024年6月15日土曜日

クシヒゲハバチの櫛髭

日曜日のお散歩は雨の中。

なのであまり虫を見ることもなく帰宅。

ということで、出しなに庭にいた虫を貼っておく。


ちっちゃな黒いハバチ。

特徴うすい、、

調べて果たしてわかるかなぁと思ってたが、拡大して見ると触角が櫛状じゃないの。

検索すっ飛ばして図鑑の索引でクシヒゲハバチを引いてみたらソックリそのままであった。

以下拡大画像

背面

クシヒゲハバチ♂
Cladius pectinicornis
脚部の膝から先が黄白色である以外は全体黒色。地味。
体長は6mm弱。

腹面

クシヒゲハバチ♂
Cladius pectinicornis

翅

クシヒゲハバチ♂
Cladius pectinicornis
本種はハバチ科のヒゲナガハバチ亜科Nematinaeに属する。
ヒゲナガハバチ亜科は触角が9節で、赤丸印の場所にある横脈(2r-rs)がないものが多い。
あと、2A+3A脈は1A脈に中央で合流してから分離し先端でまた合流する。
黄色矢印はrs脈、古い本だと第1反上脈とか書いてある。
rs脈のある場所だけど、透明なので無いと見るべきか。

触角を横から

クシヒゲハバチ♂
Cladius pectinicornis
第1・2節は短く、第3~5または6節には上に向かう突起があり、第3節は基部下方にも突出する。

カッコいい。

けど、幼虫はバラ科を食べるので害虫扱いである。

年2・3回発生する。

バラの葉っぱを裏面から食べて表皮を残す食べ方をするそうな。

バラにハバチの幼虫がいて、上記の食痕を残していたら、たぶん本種であろう。

なお、櫛髭なのはオスだけでメスは糸状である。

おまけ

顔

クシヒゲハバチ♂
Cladius pectinicornis

ではまた

2024年4月27日土曜日

クルメキモンハバチ

直近でこれと言ったのがないのでパソコンの画像から。

春によく見かけるハバチで同定だけしてた分。

2024年4月7日採集
クルメキモンハバチ♀
Pachyprotasis kurumensis

キモンハバチの仲間は種類が多くて以前は手出しができなかったのだが、「日本産ハバチ・キバチ類図鑑」を手に入れてからちょっと同定可能になった。

図鑑の検索から本種の特徴を抜き書き

***************************************

後脚基節は黄白色

前翅縁紋は黒色~黒褐色

複眼内縁はほぼ直線的

頭部の彫刻は弱く光沢がある

中胸盾板には明瞭で密な点刻はない

単眼後方区側溝は後半では深く明瞭で前半はやや不明瞭

後脚付節は全体または第5分節基半を除き黒色

頭頂部の黄紋は単眼後方区側溝に届く

後脚腿節の上面は黒色、♀の複眼内縁の黄帯は明瞭で途切れない

***************************************

たくさん採集して見慣れないと判りにくい検索ではある。

以下その他の画像。

腹面

クルメキモンハバチ♀
Pachyprotasis kurumensis

胸部側面

クルメキモンハバチ♀
Pachyprotasis kurumensis

胸部背面

クルメキモンハバチ♀
Pachyprotasis kurumensis

顔

クルメキモンハバチ♀
Pachyprotasis kurumensis

食草はコオニタビラコ、カキドオシ、オドリコソウ。

本州、九州に分布するそうだ。

四国にもいそうだけど、誰も調べてないのかしらん?


おまけ

産卵管を引っ張り出してパチリ

クルメキモンハバチ♀
Pachyprotasis kurumensis

キモンハバチ属の他の種類についてはいくつか過去記事で紹介しているのでリンク置いときます↓

「キモンハバチ」

「コシマキモンハバチ」

「聖母マリアなオニタビラコキモンハバチ」

↑翅脈名称とか書きこんでる記事

「ササベキモンハバチ」


ではまた

2024年4月20日土曜日

イタドリクロハバチ

今週はワタクシ的初見の虫を貼るだけ。

日曜日に伸び始めたイタドリの葉にいたハバチをパチリ。

帰って確認すると、なんとピンボケ画像だった。

イタドリ食のハバチと言えばカラフルな幼虫のハグロハバチが思いつくがそれとは別のスリムで小さいハバチ。

採集したので背面観

イタドリクロハバチ♀
Ametastegia polygoni

ハバチ科のハグロハバチ亜科Allantinaeに属する。

腹面

イタドリクロハバチ♀
Ametastegia polygoni

側面

イタドリクロハバチ♀
Ametastegia polygoni

翅脈はこんな

イタドリクロハバチ♀
Ametastegia polygoni

図鑑のホソババチ属Ametastegiaのところを見ていると、見た目がそっくりなのにスイバハバチAmetastegia suibai というのがいる。

1R1室と1Rs室のあいだにRs脈がある。

無いのがスイバハバチ。

スイバハバチには画像の青丸で囲んが部分の翅脈がないそうだ。

古いハバチ本だと

前翅の肘横脈は3本で閉じた肘室は3個、

という書かれ方がしてあるが、意味は同じ。

スイバハバチの肘横脈は2本。

顔

イタドリクロハバチ♀
Ametastegia polygoni

年複数回発生し、春から秋まで見られるとのこと。

初めてみたと思ったけど、脳が認識してなかっただけかも?

おまけ

産卵管

イタドリクロハバチ♀
Ametastegia polygoni


ではまた

2023年6月3日土曜日

ハチのまねをするハチ2・・・トガリハチガタハバチ

日曜日のお散歩で見かけたハチ。

ホソアシナガバチ的なハチが何かをもむもむ食べていた。

トガリハチガタハバチ ♀
Tenthredo smithii
よく見たらハバチであった。

犠牲者は、翅の残骸から見てプライアシリアゲのよう。

ハバチの仲間は、蛾みたいに卵巣が成熟した状態で羽化するタイプではないので割と肉食性が強く、他の昆虫を捕食している場面を見ることが多い。成虫になってから卵巣を成熟させるのだろう。

タイトルに2を入れたのは、旧ブログでハチガタハバチを紹介済みだから。↓

insectmoth.hatenablog.com

ハチなのにハチガタとはこれ如何に?

2種の区別点は触角全体が褐色なのがハチガタハバチで、触角基部と先端数節が淡黄色になるのがトガリハチガタハバチ。

ハチガタハバチは2・3年に1回見掛けるが、トガリハチガタハバチは初めて見るので確保した。

以下死体画像。

背面

トガリハチガタハバチ ♀
Tenthredo smithii
死体になるとアシナガバチには見えない。

腹面

トガリハチガタハバチ ♀
Tenthredo smithii
頭胸部側面
トガリハチガタハバチ ♀
Tenthredo smithii
矢印の中胸小盾板と、他に中胸前側板側面がピラミッド状に隆起するのが本種の特徴である。

ハチガタハバチは尖らずに丸く隆起する。

翅


顔

トガリハチガタハバチ ♀
Tenthredo smithii
頭盾前縁は凹型にくぼむ。

上唇は丸い。

大顎も「肉食です!」って感じ。


おまけ。鞘から引き出した産卵管

本種の寄主植物は、ヤマホトトギス、ササユリ、ウバユリ、シオデ、サルトリイバラとのこと。

ハチガタハバチはサルトリイバラのほか、シオデ類につくそうだ。

食草が重複してるけど、幼虫で区別可能なのだろうか?


ではまた

2023年4月8日土曜日

聖母マリアなオニタビラコキモンハバチ

日曜日に見つけたハバチ
オニタビラコキモンハバチ♀
Pachyprotasis youngiae

他のキモンハバチ類に比べて黒っぽい種類。
当日カエデの花を掬うとたくさんのクルメキモンハバチがいたが、こちらは地面近くを飛んでいて、お散歩ネットで掬ってフィルムケースに入れるまでヒメバチだと思っていた。
後で調べたらキモンハバチの一種と判った。

日本産ハバチ・キバチ類図鑑より分類形質を抜き書き。
************************************
ハバチ科の特徴
中胸楯板を横断する横溝はない
前脚脛節の距は2本
前翅Sc脈はR脈と融合し、先端の横脈状部分のみ分離する。
触角は棍棒状ではなく糸状で9節からなる(例外あり)


ハバチ亜科の特徴
触角は9節
前翅に2rs-m横脈を持つ
前翅R脈がM脈の交点の前で後方に曲がる。
2A+3A脈は途中で1A脈と融合する

キモンハバチ属の特徴
前翅A室は中央でくくられて二分される
後脚腿節は脛節と同長かより長い。
(昔の検索だと「後脚腿節先端は腹端に届く」などと書いてある。)
複眼内縁はほぼ平行
触角は細長く、触角第3節と4節はほぼ等長

オニタビラコキモンハバチの特徴
後脚基節は黒色で卵形の白紋を持つ
後脚の腿節、脛節、付節は黒色
中胸楯板中葉は黒色
頭盾は黄白色
************************************

オニタビラコキモンハバチは三倍体の産雌性単為生殖種で
オスが存在しないとのこと。

成虫は年1化で春に出現する。
食草はタビラコ、オニタビラコの若い種子とのこと。

腹面
オニタビラコキモンハバチ♀
Pachyprotasis youngiae


側面
オニタビラコキモンハバチ♀
Pachyprotasis youngiae
後脚基節に白紋。
転節付近は黄白色。

翅
オニタビラコキモンハバチ♀
Pachyprotasis youngiae

主要なところに記号を書き込んでみた。
オニタビラコキモンハバチ♀
Pachyprotasis youngiae
以前「反上脈」と言っていたのはM脈の一部だったのか。
赤字は翅室の名称。

後脚
全体に黒い

触角
第1節は触角柄節
第2節は梗節
第3節以降は鞭節

顔
複眼の前面は細く白い
頭盾と上唇は白色

おまけ
産卵管
適当に引っ張り出したら先っちょちぎってしまった。。。
ペケの所。。。


ではまた