2020年3月14日土曜日

マエジロマダラメイガの越冬巣

2月の終わりに見かけたくしゃくしゃ。
ヘクソカズラの実が糸に綴られて残っている。
これ、
マエジロマダラメイガの越冬巣で中にはいもむしが複数篭っている。

中のひと
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 幼虫
地味ないもむしである。
体表には顆粒がありサメ肌状。体色は赤褐色から黄褐色で黒色の斑点がある。

「みんなで作る日本産蛾類図鑑」では学名が inoueella になっているが、現在では inoueellus と語尾が修正されているので注意。


食樹はネズミモチ、サンゴジュ、ヘクソカズラ、クサトベラの記録がある。
年数回発生するのでその時においしそうな実を選んでいるようだ。
近所ではネズミモチの実を覆うように綴っているのをよく見る。

で、本種の巣の糸はすごくベタベタしている。
糸の拡大すると水滴のように見えるのがベタベタの液体。
この粘着性物質は絹糸腺から出す糸とは別で、唾液腺からの分泌物だそうな。

過去の飼育画像から蛹と成虫も。
2007年の12月にネズミモチの実を綴っていた幼虫。
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 幼虫
翌年の4月に巣内で蛹化。
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 
蛹の腹面
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 
腹端の鉤状刺毛で巣に引っ掛けて体を固定している。
鉤状刺毛は幼虫の肛上板の刺毛と相同である。

で4月中に羽化
翅を伸ばして乾燥中。
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 成虫
しばらくしたら翅閉じた。
マエジロマダラメイガ Edulicodes inoueellus 成虫
ところで、幼虫で越冬するいもむしを連れて帰ると
かなりの確率で他の生き物に変換されることが多い。
ヒメバチとかコマユバチとかetc。。

この2007年に持ち帰ったものは幼虫が複数いたが寄生率0%だった。

このベタベタは寄生虫対策なのかも?

ではまた

2020年3月7日土曜日

キバラモクメキリガの卵。。と幼虫。

3月21日追記「ヤガ科の卵・・・モクメキリガ類」からタイトル変更

今年の啓蟄は3月5日だそうで、、、
今日はちょっと散歩に出ましたが、
ハエやアブは飛んでますが他はいまいちみたいな。

なので今週はしばらく前の卵を紹介。
2月9日のイヌビワの枝先で規則正しく並べられた小卵塊をみつけた。

持ち帰って拡大。
スケールは0.5㎜
直径は約1㎜と大きめ?
表面の彫刻はヤガ科に見られる特徴である。

横から
下のほうは薄黄色。
生みたての蛾の卵はだいたいが全体薄黄色で、
発生が進むと着色してくるものが多い。

早く孵化すると困るので、フィルムケースに入れて外の窓ガラスに貼り付けておいたのだが、、、
2月18日に孵化してしまった。。。

早春に産卵するヤガ科でイヌビワを食べるようなのは思いつかないので適当に柔らかい新芽を食べる種類だということにする。

ので、サクラの枝をとってきて芽鱗を剥がして与える。
イヤそうに齧っていた。
1齢幼虫は頭部が黒いのが多いけど、この子は黄色だった。
3㎜くらい。

で、日曜日の散歩で早咲きのヨシノザクラの花を取ってきて与える。
なんとか成長。
2月29日。
2齢だと思う。10㎜程

で、本日3月7日はこんな感じ。
とかこんな感じ。
散歩に出たらクサイチゴの花がおいしそうだったので
ちぎってきて与えたらよく食べた。
3齢だと思う。20㎜前後。
気門線の白色が目立つ。おしりがちょこっと膨らんでいる。

確定じゃないけど、
キバラモクメキリガ Xylena formosa で良い感じだと思う。
終齢になって背盾(前胸背板)が黒くなったら確定である。

ネタがないときに続報します。

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3月21日追記。
終齢になってキバラモクメキリガと確認できたのでタイトル変更しました。
終齢画像追加しておきます。
2020年3月15日
亜終齢と後ろのボケているのが終齢幼虫。

2020年3月20日
キバラモクメキリガ Xylena formosa
ムチムチ終齢幼虫。
終齢になるとスゴク印象が変わる。
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ではまた

2020年2月29日土曜日

和名のないヒメバチが出てきた

この間紹介したツマキアオジョウカイモドキの食べ残し?のクモ卵嚢の容器を見ると、なにやら見慣れないシルエット。
2020.II.28羽化
ヒメバチがなぜかいる。
中の樹皮には繭らしいものはなかったのでクモの卵嚢から出てきたのだろうか。

孵化した仔グモがワチャワチャしている隙間を縫って吸虫管で回収。

背面図
Paraphylax agelenae
体長は6㎜弱

例によって以下の2サイトを参照する。
「日本産ヒメバチ目録 Check list of Japanese Ichneumonidae」 と
「Information station of Parasitoid wasps」

どうやら Paraphylax agelenae らしい
コクサグモの卵嚢から羽化した記録がある。
ヒメバチ科目録ではトガリヒメバチ亜科Cryptinaeだが、近年
Phygadeuontinae という独立の亜科に含まれるとのこと。
本亜科にはハネナシヒメバチの仲間や2m-cu脈に透明域を2個持つものが含まれる。


胸部背面
印刻がカッコいい。
前伸腹節の隆起線ははっきりしてる。

胸部側面
写真の腕がない。。。

後体節第1節
spは気門の位置、矢印は腹板の終点、背板の半分くらい。


暗色の斑紋が2対。
羽化し立てで絞めたのでもうちょっと濃くなるかも?
前翅に2m-cu脈があり下方が外縁に向かい斜めになる、その脈に薄い部分(透明域)が2か所ある(矢印部)
前翅鏡胞を欠く
後翅のM+Cu脈は曲線状
(画像に書くの忘れたので調べてね。付け根のほうの曲がった脈)

鞘から出した産卵管
下側に弱い鋸歯



腹部腹面
腹板は中央が膜質

ではまた

2020年2月22日土曜日

翅に模様のあるコマユバチ

そろそろ早春の蛾が出る季節。
ご近所の山の散歩では特筆する者もいないので
葉っぱの裏を見ながら歩いて小さな虫を摘まんで帰る。
コマユバチ科の1種
体長4㎜程の小さなハチ。
コバチ上科かクロバチ上科の何かと思っていたが、
翅脈をみるとコマユバチ科だった。

背面にはうっすらと複雑な彫刻がある。

側面
なかなかスレンダーなコマユバチ。
ググった感じでは Rhaconotus 属に似ている感じ。
オナガコマユバチ亜科Doryctinaeに含まれる。

ではまた

2020年2月15日土曜日

生まれる前から銀メッキ

この時期はこれと言ったものが見当たらないので
目に付いた繭らしきものを持ち帰る。

我慢がきかなくなった年寄りなので、ちょいと解して中身を確認。
クモっ子がウゴウゴ。
繭かと思っていたものはクモの卵嚢でした。

おしりがピカピカ。
ギンメッキゴミグモだろうか。
銀メッキ色のゴミグモは何種類かいるので特定は避けておく。

無印ゴミグモは若グモで枝先とかで越冬しているのを見かけるけど、こちらは孵化してもそのまま卵嚢の中で越冬するようだ。


ではまた

2020年2月8日土曜日

クモの卵を食べるツマキアオジョウカイモドキの幼虫

2020年2月2日に見た虫。
ツマキアオジョウカイモドキ
Malachius prolongatus larvae
一昨年の台風で倒れたクヌギの樹皮を捲ったらいた。
クモの卵嚢の脇に2個体いたが、かたっぽは落ちてしまった。
ゾロ目の日なので(?)持ち帰る。

見た目は普段よく見かける赤いジョウカイモドキ科の幼虫に似ているので、「Melyridae larvae」で画像検索すると Malachius 属の幼虫にそっくりである。
日本産のMalachius 属は、ツマキアオジョウカイモドキ1種なのでたぶん本種の幼虫であろう。

ツマキアオジョウカイモドキの成虫は5月頃によく近所で花粉を食べているのを見かける。
昨年5月撮影。
ツマキアオジョウカイモドキ Malachius prolongatus
さて、
持ち帰ったものを見ると、穴の開いた卵嚢に潜り込んでいた。
尾突起が覗いている。
頭隠して尻隠さず状態。
右の白いのは幼虫がいる上に重なっていた卵嚢である。
その卵嚢を開いてみると、
真ん丸の健全な卵と萎びた卵が見られた。

状況をまとめると、、
クモの卵嚢の脇に2個体いて、
クモの卵が一部萎びており、
クモの卵色した糞が散らばっていた、
ということである。

試しに幼虫の隠れているところに健全なクモの卵を2個放り込んでみた。
顔の前の卵に即噛り付く。

8分間もぐもぐ食べる。

横の卵にとびかかる。
くわっ!

がぶぅぅ。

緻密な糸の布団にくるまれたクモの卵も敵がいっぱいですな。

ところで樹皮下の狭いところにある平べったい卵嚢って何グモ?
カニグモ系?

2020.IV.4追記
蛹化したので記事にしました。↓
「ジョウカイモドキ科の蛹・・・ツマキアオジョウカイモドキ?」

2020.IV.12追記
羽化確認して確定しました。

ではまた

2020年2月1日土曜日

シギアブ科の幼虫

この時期はなんにもいないねぇ、、と散歩して、
たまたま目に留まったウジ虫を持ち帰ってみた。
谷筋の斜面の道端で、うにうにしていた。

ガガンボ科辺りの訳わからんヤツだと高をくくっていたら、幼虫では初見のシギアブ科だった。

日本産土壌動物 第二版の検索からシギアブ科の特徴を抜粋。
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胸部腹面に胸骨はない
頭部は多少なりとも硬化し、胸部内に引き込むことができる
後方気門は腹部末端にある
1対の後方気門はその直径の倍以上離れる
頭部後半部が後頭棒になっていない
前胸に気門がある
腹部末端は側方から見てV字形に切れ込んでいる
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シギアブ科?あたり?ということで、学名の
Rhagionidae larvae」で画像検索かけてみたら
BugGuide.Netのサイトでそっくりな幼虫が Rhagio属として紹介されていたので、シギアブ科なのは間違いなさそうだ。

持ち帰った動き回るウジ虫幼虫を、TG-5にフラッシュディフューザーをつけてバシャバシャめくら撮り。

全体
シギアブの1種 Rhagionidae 幼虫
全体その2
シギアブの1種 Rhagionidae 幼虫
頭部拡大
シギアブの1種 Rhagionidae 幼虫
顔出したり引っ込めたりするのでなかなか良いタイミングで撮れない。。

前方気門の位置はここ
シギアブの1種 Rhagionidae 幼虫
頭部横向き
シギアブの1種 Rhagionidae 幼虫

最後にお尻
シギアブの1種 Rhagionidae 幼虫
1対の大きい後方気門が見える。
おしりもパカパカ開閉するので中々写せない。

見てたら子供の頃に遊んだパクパク折り紙を思い出した。

この幼虫、初見といっても過去腐葉土いじっているときに何回か見たことある。
ヤマトシギアブっぽい成虫は初夏の頃にたくさん見るから、幼虫もそれなりにたくさんいるだろうから普通に見かけるはずである。
今まではガガンボ辺りの幼虫、とふわっと認識してただけなので、ちゃんと調べないとアカンね。

画像の幼虫は20mm以上あるのでヤマトシギアブ辺りの大型種だと思う。
ヤマトシギアブを含む Rhagio 属は昆虫捕食性で、他の属は朽木食やデトリタス食、コケ食のものまでいるそうな。
中にはジャゴケに葉潜りするジャゴケシトネアブ Litoleptis japonica というのもいるそうな。
近所におらんかな?

ではまた