2022年3月19日土曜日

鉢植えに湧くチバクロバネキノコバエ

今週は裏山でなく自宅の話。

去年の暮れあたりから、室内に小バエが飛んでいる。

震源を探ると娘が買っておいている観葉植物の鉢だった。

ルーペで見てクロバネキノコバエ科なのは確認できたので興味をなくして放置していた。

んだけど、最近以下のホームページを見つけたので検討してみた。

農研機構の「ネギネクロバネキノコバエ Bradysia odoriphaga 防除のための手引き(技術者向け)-2020年改訂版-」と

森林総研の「農林業害虫クロバネキノコバエ類の学名を整理し、互いの区別点を明らかにしました」とかのページ。

以前はチビクロバネキノコバエBradysia agrestisとされていた種類がいつの間にか複数種に区別できるようになったようだ。

ちょこっと吸虫管で吸って拡大。

チバクロバネキノコバエ Bradysia impatiens
翅脈
チバクロバネキノコバエ Bradysia impatiens
典型的なクロバネキノコバエ科の翅脈である。

頭部

複眼上部は左右でつながり眼橋となる、の図。

タマバエ科にも同様の特徴があるが、タマバエ科には径節端に距を持たないことで区別できる。

Bradysia属は前脚脛節端に一列の剛毛があることが特徴だそうだけど、画像を撮り忘れたので割愛。

小顎鬚(palpus)に感覚毛を備えた窪みを持つこともこのグループの特徴だそうだ。

矢印のとこ。外して撮らないと判りにくかったね。

チバクロバネキノコバエ♂の触角

チバクロバネキノコバエ Bradysia impatiens
触角第4節の長さは幅の約1.4倍。

近縁のネギネクロバネキノコバエでは細長く、約2.2倍とのこと。


チバクロバネキノコバエの♂交尾器

チバクロバネキノコバエ Bradysia impatiens
male genitalia

先端内側の強剛毛列とは別に、矢印位置に嘴状突起がある。

チバでは先端にあり、ネギネでは外側にあるそうだ。

あと、平均棍の色が暗灰色であるとかいろいろあるそうな。

ちっちゃいから区別するには対物レンズが必要になるが、状況からある程度推定できそうな感じ。

身近な虫が同定できるようになるのはよゐことじゃ。

でも研究が進んで学名が変更されるのはいいけれど、

和名も一緒に変更するのは混乱するからヤメて欲しい、

と思うのはワタシだけ?


おまけ

♀の腹端腹面

チバクロバネキノコバエ Bradysia impatiens
female genitalia
♀の腹端側面


ではまた

2022年3月12日土曜日

ヤブマメにいたダイズサヤムシガ

ネタがないので去年の暮れに羽化した蛾から。

2021年11月14日

フェンスに絡まるヤブマメの鞘に食害が見られたので持ち帰り。

幼虫がどんなのか見なくちゃ、と思っていたら、、
ダイズサヤムシガ Matsumuraeses falcana
一月後の12月17日に羽化しちゃった。

蛹殻

日本産Matsumuraeses属は6種。
いずれも似通っていて変異もあるので、同定難易度が高い。
図鑑とか、ネットの報告書なんかを参考にすると以下の特徴があるようだ。

マメヒメサヤムシガはダイズサヤムシガに酷似するが極めてまれ。
ダイズサヤムシガ♂の後翅発香鱗は幅広く分布
マメヒメサヤムシガ♂の後翅発香鱗は内縁に沿って細長く分布

アズキサヤムシガはクズヒメサヤムシガと酷似し、種の独立性について検討する必要がある。
クズヒメサヤムシガは翅の先端部はクリーム色、幼虫は葉を綴る

ヒロバヒメサヤムシガ♂の後翅発香鱗は内縁に沿って分布

クズヒメサヤムシガ蛹は顔面が丸く、尾端のトゲは4本
ダイズサヤムシガとヒロバヒメサヤムシガ蛹は顔面が角張り、尾端のトゲは6~8本

ダイズサヤムシガとクズヒメサヤムシガ蛹の後翅と腹部の角度は30°以下
ヒロバヒメサヤムシガ蛹の後翅と腹部の角度は30°以上

開翅
ダイズサヤムシガ Matsumuraeses falcana
♀だったので発香鱗の特徴は使えない。

蛹殻の頭部は角張っている。

腹端のトゲは6本。

腹節と後翅の角度は30°以下っぽい。

ということで総合的に考えて、普通種のダイズサヤムシガだろうと思う。

おまけ
幼虫の脱皮殻

ではまた

2022年3月5日土曜日

カスリハリガネムシの一種

2月20日のツイート。

ハリガネムシは類線形動物門Nematomorpha のうち淡水に生息する種類でハリガネムシ目Gordioidea に分類される一群である。

手持ちの図鑑(新日本動物図鑑,1965 北隆館)では日本から4属8種の記録があり、世界では2科15属約240種の記録があるとのこと。

ツイッター情報だと現在は日本産14種、世界に330種ほどいるそうである。

さて、

先週のお散歩で同じところを見ると2本(2匹)ほど残っていたので

ちょっと持ち帰ってみた。

ハリガネムシには体節はなく、全体を厚いクチクラで被われており、カマキリから出る二ホンザラハリガネムシでは体表は顆粒で被われ、所々に腎形や円形、角状などの乳頭突起があるらしい。

採集したハリガネムシの拡大

カスリハリガネムシの一種 Gordius sp.

斜めに交差する格子模様があり明色の斑点があるほかは顆粒構造がなくカマキリにつく種類とは別種のよう。

腹端の拡大

カスリハリガネムシの一種 Gordius sp.

腹端が二股に分かれて「尾叉」になるのはオスの特徴。

二股の間に三日月形のクチクラ褶がある。

手持ちの図鑑では表面構造とクチクラ褶の特徴から

カスリハリガネムシ Gordius japonicus が該当するようだ。

複数種いるようなのでカスリハリガネムシの一種としておく。

同属には1m以上になり、虹様光沢をもつオオハリガネムシというのがいるらしい。メスで最大1600㎜になるとか。栃木県で記録があるとのこと。

Gordius 属はカマドウマに寄生するようである。

おまけ

頭端

カスリハリガネムシの一種 Gordius sp.

ではまた

2022年2月26日土曜日

セマダラコガネ

世の中きな臭くってイヤんなっちゃう。

お散歩コースの虫もいまひとつ。

ネタがないのでパソコンの画像フォルダをあさってみたけど遊んでいたら時間がなくなっちゃった。

セマダラコガネ Exomala orientalis
黒化型
↑遊んだ結果。
2015年6月7日撮影分


ではまた

2022年2月19日土曜日

オニグモの赤ちゃん

フユシャクの出が悪くお散歩ツイートも少ない今日この頃。

いつも通るお散歩コースのツバキになにかいる。

ツバキの枝が折れた凹みに、丸まったハツカネズミのような物体X。

差し渡し5cmほど。

蛾の繭にしては思い当たるものがないな、と思いつつ

棒でつついてみると、、

わらわらわら、、、、

仔グモがひしめいていた。

クモの卵嚢であった。

拡大。

オニグモ Araneus ventricosus

卵嚢の大きさ的にオニグモであろう。

オニグモは秋に卵嚢内で孵化してそのまま越冬するそうな。

外に出るのは流石にまだ寒いので

そっ閉じ。

糸引いてぶら下がっているのを少し持ち帰り。

腹面

オニグモ Araneus ventricosus

ガラス瓶越しで判りにくいけど、腹部腹面に1対の白点がある。

さて、この仔グモはどうしたものか。

徘徊性のクモは何種か卵嚢から成体まで飼育したことがあるけれど、

造網性のクモは失敗した記憶しかない。

キイロショウジョウバエは累代しているのでちょっと挑戦してみようかな?


ではまた

2022年2月12日土曜日

真冬にマルヒメツヤドロムシ

お散歩コースでは初見の水生甲虫を見つけたのでご紹介。

といっても幼虫は過去ブログで紹介済み。↓
同種かどうかは知らんけど

insectmoth.hatenablog.com

冬なので、水路に手を突っ込んで虫捕りするとかのガチ目なことはヘタレなのでしていない。
こんな水がチロチロ流れる砂防堰堤に
枯葉が張り付いているのを見つけたので、
なんか隠れているかな?と数枚めくったところで、、、
2022年2月6日
1㎜ちょいの虫を見つけた。
歩いてなければ認識できなかった。
結局1個体のみだった。

拡大。
マルヒメツヤドロムシ Zaitzeviaria ovata
体長は約1.3㎜。

♂だったので交尾器出してみた。
マルヒメツヤドロムシ Zaitzeviaria ovata
♂交尾器 Male genitalia
先端背面
最近本種の近縁種として
サンインヒメツヤドロムシ Zaitzeviaria sotai や
トウカイヒメツヤドロムシ Zaitzeviaria takafumii
が相次いで記載されたりしているのだけれど、交尾器先端にトゲがあるらしい。

記載文の図を見ると、矢印のあたりにトゲがあって返しのある矢じり型になっているらしい。
今回のはトゲらしきものは見えないのでとりあえず無印のマルヒメツヤドロムシとしてよさそうだ。
本種は、図鑑を見ると鞘翅は他より淡色になるのが普通であるようだが黒っぽくなることがあるそうなのでヨシとしよう。

上の全体像は実体顕微鏡にカメラを押し当てて撮影したが、1㎜前後になると今ひとつの画像。
そこで、光学顕微鏡においてLEDの懐中電灯の落射光で撮ってみた。
交尾器出すときに柄付き針で真っ二つにしてしまった。そのせいか、油シミがひどく何回かキシレンに漬けたりして油を抜いたけれど、点刻にワックスが詰まったような今ひとつの状態になってしまった。
画像のスケールは一目盛りが0.01㎜。

前半部。
無印マルヒメツヤドロムシは前胸背は光沢が無く皺状とのこと。
拡大してみると小ジワがあるような?

横顔
頭部は金色の微毛が生えている。
光量が足りないので結局今ひとつの画像である。


ではまた

2022年2月5日土曜日

翅に模様があるコガネコバチの一種Acroclisoides sp.

今週も見た虫貼るだけ。

1月最後の日曜日、葉裏にいたちっこいハチ。

Pteromalidae
コガネコバチの一種 Acroclisoides sp.
あたまでっかち。

右側の卵塊はおそらくヨツモンホソチャタテとかトビモンケチャタテの卵。

このコバチはカメムシの卵寄生蜂だそうなので無関係のはず。

持ち帰って拡大。

Pteromalidae
図鑑等ではまず同定できないが、どこぞのブログで見た記憶があるのでちょっと探すと案の定?、おちゃたてむしさんのブログで見つかった。↓

「コガネコバチ科の一種(Acroclisoides属)(改題)」

たぶん同種だと思うけど、正式な記録はないそうで日本では未記録だそうな。

ただし存在は知られている、といういつものパターン。

ちっちゃい虫あるあるである。

翅をシャキーン

Pteromalidae
逃げそうなので絞めた。
Pteromalidae
腹面
Pteromalidae
背景ばっちいのはご容赦。

顔

Pteromalidae
大顎が割としっかりしている。

黒バック

Pteromalidae
コガネコバチの一種 Acroclisoides sp.
乾燥して腹部が凹んじゃった。

色合いも藍色っぽくなった。

体長は約1.8mmくらい。


ではまた