2022年10月1日土曜日

日本固有属ですって・・・コバネヒョウタンナガカメムシ

今年も残すところあと3ヶ月である。
最近のお散歩は漫然と歩いているばかりなのでほとんど虫を採っていない。

ちょっと前にお散歩ネットに入った虫を貼っておきます。

2022年9月18日神戸市
コバネヒョウタンナガカメムシ
Togo hemipterus
翅が腹端に届いていない。
ごくまれに長翅型が出るそうな。
ヒョウタンナガカメムシ科Rhyparochromidaeに属する。
コバネヒョウタンナガカメムシ属Togoは日本に固有の属とのこと。
そこらで普通に見られるが、そう聞くとアリガタイヨウナソウデモナイヨウナ。。

腹面
コバネヒョウタンナガカメムシ
Togo hemipterus

腹部側面
ヒョウタンナガカメムシ科Rhyparochromidaeの特徴は腹部の4節と5節の間が湾曲すること(一部例外あり)。
カメムシの腹部は第1節は退化?して外見上見えない。
8節以降は生殖節となる。

頭部
目立たないけど、矢印位置に単眼がある。

前胸部
前胸にはくびれが2カ所あり、前から「襟状部」「前葉」「後葉」と呼ぶ。
コバネヒョウタンナガカメムシ属は前葉の長さが後葉の2倍あることで他の属と区別ができる。

おまけの図
前脚腿節には物々しいトゲを装備。

カメムシ図鑑によると、本属にはTogo praetor という神戸の個体を元にした種が記載されているらしいが、正体不明とのこと。



ではまた

2022年9月24日土曜日

そこいらの普通種が新種らしい・・・アリヒョウタンカスミカメ

日曜日にお散歩ネットに入った虫。

アリヒョウタンカスミカメ Pilophorus hyotan

カメムシ図鑑をみると、クロヒョウタンカスミカメPilophorus typicus のようで、西南日本では最も普通のヒョウタンカスミカメと書いてあった。
んだけど、ちょいと検索すると「区別できない近縁種がいる」などという物騒な文言がネットで見られたので、ちょっと調べ直すと以下の論文を発見。
「Reclassification of the plant bug genus Pilophorus in Japan and key to the genera and species of Japanese Pilophorini (Hemiptera: Heteroptera: Miridae Phylinae), pp. 1-40 in Zootaxa: 4942 pp. 12-16 (1).」
ずーたくさの論文は直接見れなかったけど、いろいろ検索したら他のサイトで読むことができた。
要約すると日本産Pilophorus属は再整理されて17種になり、クロヒョウタンカスミカメP.typicus は長崎以南の分布で、本州に産するものは別種で Pilophorus hyotan として2020年に新種記載された模様。
で、その論文には和名はなく、ツイッターの噂では後日アリヒョウタンカスミカメになったようだけど、出典は不明。
たぶんろすとりああたり?

腹面

アリヒョウタンカスミカメ Pilophorus hyotan

側面
アリヒョウタンカスミカメ Pilophorus hyotan

♂交尾器 endosoma、挿入器のことかな。
中央に枝分かれした細い突起は比較すると直線的とか。

♂交尾器 endosoma、先端にピント。

♂交尾器 、left paramere、左把握器のことかな。
S字型というか螺旋状に拗れたヘンテコな形。

♂交尾器 、right paramere、右把握器のことかな。
こちらは単純な形状。


ではまた

2022年9月17日土曜日

季節外れのトゲアリ♂

この間のぷらなりあ@趣味垢さんのツイート

そういえば以前お散歩コースでトゲアリ属の♂を採集して保留にしていたのがあったなぁ、と思い出した。

うちの近所のトゲアリ属Polyrhachisは、トゲアリP. lamellidensとチクシトゲアリP. moestaの2種がいるのは確認済み。

以前撮った画像を見たら、トゲアリの方だった。

以下、死体画像。

2019年11月23日、神戸市

トゲアリPolyrhachis lamellidens ♂

秋も深まった11月下旬に1匹だけぽつんと葉っぱに止まっていたもの。

季節外れもいいとこ。

側面

トゲアリPolyrhachis lamellidens ♂

「日本産アリ類画像データベース」にある雄アリの検索でトゲアリ属には行き着いたけど、そこから先は調べられなかった。

えらく毛深いなぁ、と印象に残っていたもの。

チクシトゲアリの♂はこんなに毛深くないようだ。

いちおう、トゲアリ♂の翅脈


トゲアリ♂の顔


腹柄節を後ろから。

♀ほどではないけれど、トゲがある。


ではまた

2022年9月10日土曜日

触角無いとぱっと見判らん

涸れていた砂防堰堤の染み出し水が、このところの雨で復活していたので覗いてみたら、

はてナンジャロ?というのが歩いていた。

こんな水生甲虫いないよね、、と持ち帰ってみたら

クロテントウゴミムシダマシ Ades convexus
触角の欠けたゴミダマでした。

顔の辺り

複眼の辺りはゴミダマしてますね。

腹面

クロテントウゴミムシダマシ Ades convexus
後脚基節の間にラブルベニア生やしていた。

ゴミムシにはよくこの寄生菌が付いているのを見るけれども、ゴミムシダマシに付いているのは初めて見た。


むか~し採った触角のあるクロテントウゴミムシダマシ

クロテントウゴミムシダマシ Ades convexus
2012年8月に採ったもの。

昔のカメラなのでピントが回っていない。

触角があると、ゴミダマ?ってなりますな。


ではまた

2022年9月3日土曜日

アシブトコバチ科の1種

8月最後の日曜日、触肢、じゃない「食指」が動く虫がいない、、、

ハチがいた。


模様の無いアシブトコバチの一種。

お手上げである、が連れ帰った。

帰ってからググると「日本産アシブトコバチ科の再検討」(リンク先pdfファイル)というのがあったので、図だけ見ていったけどやっぱりお手上げだった。

以下死体画像。

背面

アシブトコバチの一種。

腹面


胸部側面

銀白色の毛が生えるが、斑紋はなし。

胸部背面

後脚側面

腿節下面は波曲して細かなトゲが並ぶ。

顔

触角柄節をたたむ部分には横皺多数。

腹端から引っ張り出せたコレは♂の交尾器かな?

アシブトコバチの一種。♂交尾器

ではまた

2022年8月27日土曜日

ヒメグンバイ繁殖跡地にアカオビアザミウマ

お散歩コースの虫がいまいちなので、庭の虫から。
ベランダから庭のクヌギを見ると白くなった葉が見えた。
ヒメグンバイの被害葉

毎年ヒメグンバイが湧いているのは把握しているので、何気なく捲ってみたが既に本体はどっかに行ってしまって脱皮殻のみだった。
が、よく見ると赤い筋のあるちんまいのがいた。
アカオビアザミウマ
Selenothrips rubrocinctus

トゲトゲしているのはヒメグンバイ幼虫の脱皮殻。
紅白の虫がアカオビアザミウマの幼虫。
左下の黒いのが成虫。
右上にも成虫が隠れている。

本種は元々南方系の虫で、沖縄や小笠原でグアバやマンゴーなどの害虫として知られていたのが、近年分布が北上しているそうだ。
東京ではカツラやマンサクなどの緑化樹で被害がみられ、私のご近所の虫ブログなどではモミジバフウやタイワンフウで見つけておられた。

クヌギで見つかったことはなさそうだけど、寄主範囲が広そうな虫なので特に不思議ではなさそうな気がする。

でも、ヒメグンバイの被害葉にいたのは何か有用な成分があったりとか、誘引される要因があったりするのかも?

以下、成虫のプレパラート写真。
♂
アカオビアザミウマ♂
Selenothrips rubrocinctus
翅は羽毛状。体長は約1.5㎜。

♀
アカオビアザミウマ♀
Selenothrips rubrocinctus
♂と比べるとぽっちゃりさん。

♂の腹端
アカオビアザミウマ♂
Selenothrips rubrocinctus
第8腹節後縁中央にトゲが2対ほどあるようだ。
他のアザミウマにもあるのかはワタクシ的に今後の課題。

♀の腹端
アカオビアザミウマ♀
Selenothrips rubrocinctus

ギザギザ鋸刃の産卵管らしきものが見えることから、植物組織内に産卵することが予想できますな。
真偽のほどは知らんけど。



ではまた

2022年8月20日土曜日

ぺなんぺなんの虫

お盆休みの最終日、お散歩に出てネムノキの下で一休み。

ふと見ると、脇に置いたウエストバックに虫がいた。

オオクモヘリカメムシ
Homoeocerus striicornis
画像は後ろから。

体はぺらぺらしている割に触角がすごく主張している。

けれど、触角も平圧されているので見る角度によって細く見える。

ヘリカメムシ科に属する。

幼虫は似たのがいるけど、本種はネムノキに寄生するそうなので間違いないだろう。

成虫になるといろんな果実から吸汁するので農業害虫とされるそうだ。

上から

オオクモヘリカメムシ
Homoeocerus striicornis

腹部の正中線に沿って黒い点が2個みえるのが「臭腺」。

本種の場合は強い酸性臭がするそうだ。


カメムシの幼虫時代は翅がないので背中側に臭腺が開口してる。

成虫になると、後胸の側面に臭腺の開口部が現れる。

理にかなってるけど、不思議。


成虫は割とシュッとしてる。

過去写真から。

2004年10月17日

オオクモヘリカメムシ
Homoeocerus striicornis

よく似た種にミナミトゲヘリカメムシがいるが、ミナミには前胸の側角に黒いトゲがニョキっと生えているので区別できる。


ではまた